引っ越した。戯れに引っ越した。そのため、お金が無い。
引っ越しにはとてもたくさんのお金がかかる。考えが甘かった、思ったよりたくさんのお金が必要だった。もっと慎重に行動すべきだった。
家具の類が一切無い。なにもない。机も、ベッドも、棚も、なにも無い。ご飯は床で食べるし、物はダンボールに入れて整理している状態。かなしい。
凍死するのは不味いと、取り急ぎ布団は買った。それだけ。布団は買った。あたたかい。
洗濯機と冷蔵庫は買った。これで自炊と洗濯は出来る。
外食が減らせて安上がり、と思ったが冷静に考えて、外食の方が安いのではないか。
さすがに机くらい買おうかと思うものの、引っ越しに当って、銀行引き落としだとか、クレジットカードだとか、家賃だとかがあるので、気軽にお金を使うことは危険と思い、買うに至れていない。
会社までの通勤定期を買った。精算は月末なので完全にお金がない。定期なんて買わなければよかった。さらに言うと、精算は 1 ヶ月ごとなのに、お得だろうと 6 ヶ月定期とか買ってしまった。お前は馬鹿なのか。馬鹿なんだろう。馬鹿としか言いようが無い。馬鹿である。ああぁ。
長期的にお得だろうと、いろんな初期費用を掛けすぎた。高い高い高い。
兎に角お金がない。なにも無い。生きるのが辛い。昼は毎日松屋の牛めしを食べている。安い、 240 円。ありがたい。
銀行にお金があるけれど、僕の予想があたればクレジットカードから 20 万くらいの請求が来る筈なので、全くの無意味、無駄、使えないお金だ。
引っ越したのは良いものの、引っ越した結果なにも無い部屋で毎日凍えながら床に就くのである。
引っ越したまでは良かった。
引っ越すまでは良かった。
引っ越しを想像している時が一番楽しかった。
希望に満ち溢れた、日々だった。
