この記事は「つくりおき Advent Calendar 2018」の 5 日目のエントリです。
昨日は id:haretarasake さんでした。圧倒的肉感がすごい…
皆さんこんにちは、最近「삼시세끼 (三食ごはん)」と言う韓国バラエティ番組にハマっているシュニルです。普段は日本的なラーメン (1, 2, 3) を作っているのですが、今日は 감자탕 を作って置いていきたいと思います。
韓国語には「漢字語」と言う概念があります。朝鮮半島ではかつて日本語と同じように「ハングル」と中国由来の「漢字」を使って混ぜ書きにする文化がありました。現代の韓国では漢字の単語も全てハングルに置き換えて表記されています。この漢字由来のハングルを漢字語と言い、音写されたハングルで漢字を表現しています。
日本人にはハングルは記号のようにしか見えませんが、この漢字語を漢字に変換するだけで、ある程度の韓国語の意味が認識できるようになります。
今日つくりおきしていく 감자탕 も漢字語です。これは漢字で表すと「甘藷湯」となります。甘藷はジャガイモの意味、湯はスープという意味です。
甘藷は「甘いイモ」と言う漢字なので、日本でも中国でもサツマイモを表すのですが、なぜか韓国ではジャガイモを表します。
우리가 지금 부르는 '감자'라는 단어는 중국 표현 감저(甘藷)에서 온 것으로 추정된다. 단, 처음에 감저는 감자와 고구마의 통칭으로도 쓰였다. 그 증거로 아직도 전남 일부 지역 서남방언과 제주도 방언에서는 감저(감자)가 고구마를 뜻하는 말이다.
つまり、 감자탕 は直訳するとジャガイモスープと言う意味ですが、実際にはジャガイモと豚の背骨肉を良い感じに煮込んだ鍋料理のことを表します。ちなみに発音はカムジャタンです。
と言うわけで、今日はこれを作っていきます。早速ですが、近所のスーパーでは背骨肉を購入することができなかったので豚スペアリブを買ってきました。
あと、ジャガイモと、長ネギが必要です。
肉は茹で洗いします。お湯で軽く煮て、アクだらけになったところで冷水にさらし、汚れを洗い落としていきます。
洗い終えるとこのようになりすでに美味しそうですね。これを油で軽く焼き、焼き目をつけます。
焼き目がついたらネギと水を入れ、 30 〜 40 分ほど煮込んでいきます。
ある程度煮込めたら各種調味料と、ジャガイモを入れます。
これで 10 分ほど煮込んだら完成です。鍋料理ですので、コタツにカセットコンロを出して食べるとよさそうです。
実は 파전 (パジョン) も作っておきました。日本だと「ねぎチヂミ」と呼ばれるものですが 、韓国の 지짐이 は方言に由来しているそうです。韓国にいった際に 지짐이 주세요 と言っても通じないんでしょうか。
そして、一通り食べたあと、韓国と言えばあらゆる鍋に辛ラーメンの "麺だけ" を入れて〆めにすると言う文化があるのでやってみましょう。
- 出版社/メーカー: 農心ジャパン
- メディア: 食品&飲料
- この商品を含むブログを見る
袋麺タイプの辛ラーメンから麺だけを取り出し、何故か割ります。割る理由はよくわかりませんが、「삼시세끼 (三食ごはん)」を見る限りみんな割っているっぽいです。
ところで余った袋麺のスープはどうするのか? 韓国では、このスープを他の料理の際に調味料として使うようです。韓国料理をいくつか作ると分かりますが、辛ラーメンの味みたいな料理が結構あるので代用できそうです。同じく韓国バラエティ番組の「냉장고를 부탁해 (冷蔵庫をよろしく)」を見ると、皆キッチンには辛ラーメンのスープだけが置いてあることが分かります。
煮込むとこのようになり、少しずつ皿に盛って食べるのが韓国スタイルです。鍋の中でどんどん麺は伸びていき、おかわりしていくと徐々にでろでろな麺になっていき、それも韓国的と言えるでしょう。
如何でしたでしょうか? 当然ながら、これを一度で食べることは困難なので適当なタッパーにいれて冷蔵保存しています (〆めのラーメンは食べ切りました) 。翌日以降、レンジでチンをするだけで美味しい 감자탕 を食べることができます。その時には、肉やジャガイモを食べた後のスープに、ご飯や韓国のりを入れて再加熱することでおじや風の〆めをすることができ、それも非常に美味しいです。作り置いたあとも味の発展が見込める非常に楽しい料理と言えるでしょう。
明日は minemura_coffee さんです。