海外 SIM Free 端末を買う時に気を付けておくこと

携帯電話が通信するための方式はいくつかあり、世代別に分けると以下の 3 つがあります。

日本国内において、現在最も広く普及しているのが 3G です。
また、海外に於いても 3G 端末が主流ですから、海外端末を買う場合は兎に角 3G の項目に注目しましょう。

GSMPDC といった 2G 方式にしか対応していない端末、 WiMAX や LTE と言った次世代方式にしか対応していない端末というものは、日本国内で使える見込みはほぼありません。諦めましょう。
しかし、 「 GSM と 3G の両方に対応した端末」というような端末は結構ありますので、 GSM という項目が見えたから、即使えないと判断してはいけません。

3G の方式に注目しよう

3G という方式、というような説明をしましたが、 3G の中にも大きく分けて 2 種類の方式があります。

この二つの中で W-CDMA という方式だけが日本で利用できます。
日本では CDMA2000 を au (KDDI) が採用していますが、他国のキャリアでは USIM を識別子として利用しなかったりと、実質的に au で利用できる海外端末を筆者は見たことがありません。*1

W-CDMA の周波数に注目しよう

W-CDMA や UMTS と書かれてあれば、日本でも使える?
いいえ、そんなことはありません。さらに「周波数」という項目に注目する必要があります。
日本で使える周波数帯は実質的に 1 つだけです。

  • 2100MHz (2.1GHz)

ドコモとソフトバンクモバイルが利用出来る周波数帯です。
「 WCDMA 2100 」や「 UMTS 2100 」というような記述をしている場合がありますので、気をつけましょう。

さらに以下の周波数に対応している場合は、ドコモに於いては FOMA プラスエリアというものが利用でき、電波の感度が悪い、といった状況が減ります。

  • 800MHz

「 850MHz と書かれていてもプラスエリアは利用出来る」というような記述を見かけますが、これは南米での 850MHz 帯が日本の 800MHz と被っているためです。
しかし、 850MHz と書かれていても FOMA プラスエリアが必ず利用出来るというわけではありません。あまり過度な期待はしないほうが良いでしょう。

イーモバイルの周波数

イーモバイルでも W-CDMA という方式を使っており 1700MHz 帯を利用していますが、海外の SIM Free 端末で使える端末はほとんどありません。
W-CDMA 1700 という方式では世界的に見て 2 種類存在し、一つはイーモバイル(と FOMA 東名阪バンド)、一つは米 T-Mobile が利用しています。しかし、お互いに互換性は無いので、 T-Mobile の端末をイーモバイルなどで利用することは出来ません。
T-Mobile では UMTS IV と呼ばれる方式で利用しており、イーモバイルとの互換性はないのです
イーモバイルでは UMTS IX という方式を利用しており、同じ W-CDMA 1700MHz でも異なる方式を採用しています。

  • 1700MHz (1.7GHz) (UMTS IX)

しかし、Huawei の IDEOS U8150-B という端末だと利用することが出来ます。これは国内向けに同型の端末を供給しているためです。(アジア向けとしてイーモバイルの帯域が含まれている)

利用出来る通信について

上の W-CDMA 2100MHz に該当していればどの海外端末でも「電話」と「 SMS 」は利用出来ます。
しかしながら、キャリアメールやウェブといったパケット通信を伴なう機能に関しては、キャリアへの契約で利用方法や料金形態が異なってきます。
これは、慎重に確認・設定をし利用する必要があります。なぜなら、設定を間違うと青天井といった制限なしの従量課金となり、月に何十万といった請求をされる場合があるからです。

まとめ

  • 日本で利用できる

*1:CDMA2000 の 800MHz で USIM を識別子として利用するキャリアの端末を au 以外で見つけた場合にはすぐに連絡してください。