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au iPhone 5 で LTE が使えるエリアは 14% より広いという話

au(KDDI)が2012年9月21日からスタートした高速通信サービス「4G LTE」は、「開始時から全国の主要都市をカバー」「4G LTE(iPhone 5含む)対応機種なら」「受信最大75Mbpsの超高速ネットワークを実人口カバー率96%に急速拡大。(2013年3月末予定)」などとカタログや公式サイトで表示していましたが、実際にiPhone 5を使用して4G LTEに接続したとき、75Mbpsサービスを利用できるエリアの実人口カバー率は96%ではなく14%だったことが明らかになりました。

最初にユーザが勘違いする広告を出した au も au なんだが、 GIGAZINE のタイトルも結構酷い。これだと「au iPhone 5 は人口カバー率 14% のエリアでしか LTE が使えない」というように見えてしまう。

まず、今回の話を理解するためには、 LTE の周波数帯と帯域幅について知る必要がある。

au 4G LTE では周波数帯に 2.1GHz 、 1.5GHz 、 800MHz の 3 種類使っている。帯域幅は 2.1GHz は 5MHz 幅と 10MHz 幅の 2 種類、 1.5GHz と 800MHz は 10MHz 幅が提供されている。

周波数・帯域幅でそれぞれでエリアが異なる。周波数帯は対応している電話機の種類、帯域幅は通信速度に影響がある。

細かい話は ウィキペディア (au 4G LTE) を読んでもらうことにして、ざっくり説明すると以下のようになっている。

  • 2.1GHz 帯 (iPhone 5 で使える)
    • 5MHz 幅 (最大 37.5Mbps で通信できる)
    • 10MHz 幅 (最大 72.5Mbps で通信できる)
  • 1.5GHz 帯 (Android で使える)
    • 10MHz 幅 (最大 72.5Mbps で通信できる)
  • 800MHz 帯 (Android で使える)
    • 10MHz 幅 (最大 72.5Mbps で通信できる)

au 4G LTE の特徴として、 iPhone で使える 2.1GHz 帯のエリアは狭く、 Android で使える 1.5GHz 帯と 800MHz 帯のエリアは広い。

今回、「4G LTE(iPhone 5含む)対応機種なら」「受信最大75Mbpsの超高速ネットワークを実人口カバー率96%に急速拡大。(2013年3月末予定)」という内容がミスリードしてしまうのが問題となった。 au の広告としては、それぞれ独立させて説明しているつもりだったんだろう。

つまり、

  • 4G LTE(iPhone 5含む)対応機種
    • iPhone 5 は LTE に対応している
  • 受信最大75Mbpsの超高速ネットワーク
    • → エリアによっては 37.5Mbps で通信するが、最大だと 75Mbps で通信できる
  • 実人口カバー率96%
    • → 全てのエリアを含むと 96% になる

という、分かる人が読めばこじつけとは思いつつも問題無いような説明になっている。

まあ、こじつけが酷いのはともかくとして、 "au 4G LTE" というサービスは一つの名前で展開しているものの、実体は数種類の周波数・帯域幅のネットワークと対応端末が含まれているので仕方の無いことな気もする。

ここで GIGAZINE のタイトルに戻ってくるが、「iPhone 5でのau「4G LTE」75Mbpsサービスの実人口カバー率が14%だったことが判明」という文字列は「au iPhone 5 は人口カバー率 14% のエリアでしか LTE が使えない」というようにミスリードできてしまう。

この「人口カバー率 14%」なのは何か? そう、 2.1GHz 帯 10MHz 幅のエリア なのだ。

2.1GHz 帯 5MHz 幅で通信出来るエリアは 14% よりもっと広い (ちゃんとした数字は au が出してないので知らない) 。なにも、 au iPhone 5 では 14% のエリアでしか LTE が使えないという訳では無い。

まとめ

  • au iPhone 5 で LTE が使えるエリアは人口カバー率 14% より広い
  • au 4G LTE は複雑な組み合わせで構成されている
    • 全部あわせると人口カバー率 96% になる
    • 一番狭い解釈 (iPhone 5 かつ 75Mbps サービス提供エリア) をすると人口カバー率 14% になる
  • au の広告はクソ
  • GIGAZINE の記事もクソ

追記 (5/22 10:23)

  • 2.1GHz 帯はもう 10MHz 幅のエリアしか無いと au が言っていたよ?
    • ググると分かるんだけど、「au iPhone 5 はいまでも 37.5Mbps で繋がっちゃう」という話は結構あるので、 au が適当なこといってる可能性は高い。ちゃんとエリアマップ公開してほしい。
  • これだと 14% より広いことは分かるけど、どれくらい広いのかよくわからない ...
    • au が 5MHz 幅と 10MHz 幅でエリア分けて書いていないので、実際にどれくらいかは分からない。ただ、 10MHz 幅のエリアが人口カバー率 14% だとすると、それよりは確実に広い。ちゃんとエリアマップ公開してほしい。
  • GIGAZINE はタイトル修正されたし、内容をちゃんと読めば 75Mbps かつ iPhone 5 ということが分かるよね?
    • それでもタイトルは酷いと思う。 LTE については説明しないと普通は帯域幅によって最大速度が変わるとか知らないだろうし「 LTE が使えるところが 14% しかない」と勘違いしてしまうんじゃないだろうか。というか僕が実際勘違いして調べ直したのがこの記事です。
    • ケータイ Watch は割と丁寧に書かれている。
  • iPhone 5 がそもそもクソなのでは?
    • はい

au は iPhone 向け LTE (2.1GHz 帯) に関しては 住所しか表記せず 、しかもそれが 5MHz 幅なのか 10MHz 幅なのかの表示も無い。他のサービス (3G とか 1.5GHz や 800MHz の LTE) はちゃんとエリアマップ公開しているので、 2.1GHz 帯の狭いエリアを意図的に隠しているというのがよく分かる。

これに対して、iOS端末で利用されている2GHz帯のネットワークは、人口カバー率やエリアの指標を公開していない。田中社長は、「今後も引き続き、できるだけ最速のスピードで拡大を進めていくのでご理解いただきたい」とコメントし、エリア公開は今後もしない方針だ。ユーザーにとって、どこで使えるか分からないネットワークのエリア非公開について理解するのは難しいのではないか、という記者の質問に対して田中社長は「800MHz帯をベースとして、ユーザーが多く、トラフィックが集中する都心部を中心に2GHz帯を重ねて、そこから郊外に広げていく」というエリア設計のポリシーを説明した。

先日もこのような回答をしているあたり、やはり iPhone ユーザのことは割と軽視されているんだろうな。